爽やかVOCAROCKを聴く
みなさまお久しぶりです、青海久瑠と申します。
本記事は「ボカロリスナー presents Advent Calendar 2022」に参加しています。他の参加者の記事は下のリンクから見ることができます。
ちなみに、前日のTakuanさんの記事はこちらになります。ぜひご覧ください。
さて、今回は「爽やかVOCAROCKを聴く」と題しまして、好きな爽やかVOCAROCKの話をしようと思います。この記事を読みながら、普段はダークな曲やゆったりとした曲を中心に聴く皆さんも、爽やかVOCAROCKの世界に浸っていきましょう。
1. シューティングセブンスター / ケダルイ
爽やかロックにおいて重要な要素の1つ、疾走感に非常に長けた曲です。この曲は、単に軽快で聴きやすいだけでなく、メロディもパワーがありしっかりしている点が個人的に評価が高いです。メロディのパワーというのは、一歩間違えば「ダサさ」に繋がってしまうわけですが、この曲はそうしたバランス感覚に優れています。中でもサビの伸びやかなメロディは特に印象深いですね。
2. グリーンライツ・セレナーデ / Omoi
皆さまご存じ、「マジカルミライ 2018」のテーマソングです。どこまでも前向きな歌詞と、歌詞に合わせたダイナミックな曲の演出は、ややクサさもあるとはいえ、それでも見事という他ありません。このストレートさがスピードのある爽やかロックと結びつくことで、圧倒的なエネルギーが放たれる、それがこの曲です。
3. 茜音色の蝉時雨 / ちいたな
この曲のラスサビのような、「静」と「動」を活かした盛り上がり方は、私が特に好きこのんでいるというのもありますが、それでも爽やかロックにおける1つの醍醐味といっても過言ではないでしょう。合唱曲っぽさも感じるエモーショナルなメロディが印象的で、良い爽やかロックは良いメロディから始まるというのを実感できます。
4. 掻き消して、クアルテット / 卯花ロク
せっかくのアドカレなので、続いては今年の曲を紹介します。この曲は清涼感の溢れる作風となっており、中高生の複雑でドロドロとした心情を描く作者の普段の作風を思うと、そうした作風とは対比的な爽やかさを演出するこの曲は、単に「大人への反抗」というよりは、生徒も含めた学校社会へのアンチテーゼを感じることができます。爽やかロックであることを文脈に組み込んだ良曲です。
5. Hatsune / 1640mP
164氏と40mPによるユニット「1640mP」の作品です。爽やかVOCAROCKの中ではしっかりとした音と、それでも尚失われない疾走感が魅力的です。コラボということもあり、それぞれが調声した初音ミクが両方聴けるのも嬉しいですね。サビ前の2段キメが、突き抜けるようなサビへの前振りとしてとても心地良いです。
6. ストラトステラ / ナユタン星人
切なさを押し出したエモーショナルな爽やかロックです。胸がぎゅっと締め付けられような曲調で歌われる「心の通わなさ」は、作者と我々の「出会い」ともいえる、初期の曲を収めたアルバムの〆として、ある意味で相応しいとも言えます。
7. 星屑オーケストラ / ハヤブサ
爽やかVOCAROCKの傾向として、爽やかさというよりは煌びやかな綺麗さを重視した曲もしばしば見受けられ、こちらもそうした曲です。ギターやピアノのソロは、動画の演出も含めてとても楽しいですね。
8. 星ノ行方マデ / タケノコ少年
リードギターが印象的な1曲です。きれいな調声、すっきりとしつつしっかりともしたメロディ、そして何と言ってもサビ後半の大胆なタメが素敵です。特にタメについては、どこまでも爽やかロックの王道を貫くこの曲だからこそ輝くとも言えるでしょう。
9. kick / コメダワラ(猫アレルギー)
コメダワラ氏の代表作です。やや切なげながらもどこか爽快さのあるメロディが、歌詞中でうたわれる、自身の生活への後悔や諦めといった、ある種投げやりな心境が持つ「勢い」を表現しているように思われます。
10. ステラ / じん(自然の敵P)
ゲーム『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』のユニット「Leo/need」への提供曲です。夢を追うことをうたったこの曲は、「Leo/need」らしい「青春」を感じられます。一方で曲は必ずしもストレートかといえばそんなこともなく、特にBメロでは、歌詞に連動して挟まる一時的な転調と、動きの多い伴奏が、爽やかVOCAROCKらしからぬクールさを演出しています。
以上になります。少しでも皆様に爽やかVOCAROCKの魅力が伝わっていれば幸いです。