はじめてのマジカルミライ[感想]

はじめに

 みなさまこんにちは。青海 久瑠と申します。

 本記事は、obscure.様主催の「ボカロリスナー presents Advent Calendar 2021」に参加させていただきました。

 私の担当の前日に当たる12月8日を担当したKlayn様の記事はこちらになります。

note.com

 また、他の方の記事は下記リンクをご確認ください。

adventar.org

 さて、今回はタイトルの通り、『マジカルミライ 2021』でマジミラに初参戦したので、その感想を書いていきたいと思います。予め言っておきますと、個々の楽曲についての感想を1つ1つ述べていく、といった形式は取りませんのでご了承ください。また、『マジカルミライ 2021』のネタバレを含む場合があります。

 

ボカロのオタクってこんなにたくさんいるんだ、普段どこにいるんだろう

 大前提として、私は、ボカロというものは基本的にインターネットで聴くものだと思っています(この考え方自体はライブ後も変わってません)。YouTubeにしろニコニコ動画にしろ、視聴者数を数字で可視化することは容易ですが、一方で「それだけの人々がボカロを聴いている」ということを実感するのは難しいです。

 皆様もご存じの通り、マジカルミライは大規模なライブで、多くの人間がボカロ曲を聴くために集まります。マジミラ会場に着いて最初に思ったのはこのことでした。ここにいるひとたちのほぼ全員はボカロのオタクのはずですし、ライブには行かないがボカロを聴いているひとも相当数いるはずです。やはり数字を見るのと実物を見るのでは納得感が違います。これだけのひとがいるなら、何人かは私の身近にいてもおかしくないですが、普段はどこに隠れているのでしょうか……。

 

『千本桜』にはボカロの象徴たる風格がある

 議論を呼ぶ、あるいは怒られそうな話ではありますが、別に「ボカロ代表曲論争」をやりたいわけではないです。そんなものは何でもいいです。ただ、聴き飽きるほど聴いた『千本桜』をライブで改めて聴いたときに、やはり良い曲だなと思えました。例のイントロが流れた時に、「その曲はもう飽きたよ」となるのではなく、盛り上がることができる。歌詞は結局よくわからないですが、まあそれもボカロらしいといえばそうだし、何より聴いている側をちゃんとわくわくさせてくれる、それだけの力を持った曲なんだということを再認識しました。そりゃあ売れるわけだと合点がいった、というのも感覚的には近いかもしれないです。

 

KAITOは脚が長い

 2021年のマジミラは、15周年ということもあってKAITOをメインに据えたコーナーがありました。1曲目の『ドクター=ファンクビート』なんかはノリノリでライブ映えするなぁ、楽しいなぁなどと聴いていたのですが、『サンドリヨン』でとうとう気づいてしまいました。KAITOは異様に脚が長い。デュエットしていた初音ミクの肩ぐらいまで脚だった気がします。着ていた衣装がいつものロングコートではなく、脚のラインがしっかり見えるものだったのも大きいでしょうが、それにしても長い。確かに脚が長ければダンス映えもするだろうし、何より良いモデルなのですが、真っ先に脚の長さに目が行ってしまった結果、ずっと「脚なげぇなぁ」と考えていました。

 

結局、初音ミクは存在するのか?

 「マジミラには初音ミクが存在する」という発言をするひとは結構います。ライブを踏まえての私の感想としては、身も蓋もないし、同時にわざわざ言うまでもないことをあえて言うならば、「そういう風に思った方がライブを楽しめるだろう」と思いました。サンタクロースを信じていた子供時代のクリスマスに存在した期待感、あるいはときめきが、そう思うことで味わうことができるのでしょう。これは他の様々なイベントに共通して言えると思いますが、「初音ミクが存在する」という設定に乗っかってやることは、マジカルミライを楽しむ上では最も優れた方法だと思います。

 

 ……。

 

 多くのボカロファンが見守る前で、色々なボカロPの曲を次々と歌い上げる初音ミクは、ひょっとすると、かつてのオタクが個々の初音ミクの集合体の中に幻視した「初音ミク」にかなり近いものなのではないでしょうか(もちろんマジカルミライ自体は公式がやっているだけの二次創作に過ぎないわけですが)。実のところ、イタコが死者の口寄せを行うのと同じで、私は「マジカルミライの初音ミク」という霊媒を通じて、「初音ミク」を幻視しようとしたのです。私が本当に見ようとしたのは、マジカルミライの初音ミクではなく、「うちのミクさん」でもなく、「初音ミク」そのものでした。

 

大丈夫 楽しいパーティーが終わっても 君が笑うなら
ずっと ここで 初音ミクでいさせてね!

—『マジカルミライ 2020』テーマソング 『愛されなくても君がいる』より

 

その歌声は未来に彩を与えた
これから世界は変わって行くのだろう

—『マジカルミライ 2021』テーマソング 『初音天地開闢神話』より

 

 ……無理でした。

 

 これはもしかすると間違っているかもしれませんが、特に先述した2曲は「うちのミクさん」を意識しているように思いますし、少なくとも私はそのように受け取りました。また、私には「うちのミクさん」はいないため、あまりその辺に乗っかることはできませんでした。

 そもそも、マジミラの初音ミクはマジミラの初音ミクでしかないので、素直にそう受け取る方が私には向いているような気がします。私なりのマジミラの「楽しみ方」をなんとなくつかめたような気がしました。「初音ミク」が存在しなかったとしても、マジミラはとても楽しいお祭りです。

 

おわりに

 マジカルミライはとても面白いイベントでした。来年も余程のことがない限りは行きたいです。チケットが当たりますように。

 

 「ボカロリスナー presents Advent Calendar 2021」はまだまだ続きますので、他の参加者の皆様の記事もぜひご覧ください。