ぼかのーと #13 このつまらない日々が素晴らしい [感想]

※本記事は2020年11月にnoteから移設したものです。投稿日時は元記事の投稿日時に合わせてあります。

 はいどーも、竹輪です。

 今回は初音ミク11周年に合わせて、ぼかのーとを書かせていただきました。今回題材とするのは「このつまらない日々が素晴らしい」です。後に「はやくそれになりたい!」で一躍人気となるキノシタ氏が、2016年に投稿した曲です。

 そんなこの曲、まずイントロがかなり刺さります。最初の明るさに少しかっこいい感じを織り交ぜた雰囲気がミクの「ひぃ ふぅ みぃ よぉ」で変化し、可愛さと明るさを全面に押し出した曲調となります。劇的な変化というよりは、AメロがBメロになった、ぐらいの変化ではあるのですが、楽しいです。ノれます。素晴らしいです。

 基本的に歌詞は意味が通る程度にノリを重視してます。個人的に好きなのはAメロの「意味なくなくなくない?ない!」のところで、メロディにハマってるのが気持ちいいです。サビの「LOVEずっきゅんの気持ち」とかは、かなりテンションで生きてる感じがして良いです。また、歌詞に合わせてころころと表情を変化させるミクさんのイラストが可愛いです。

 そして、この曲、明るいんですけど、底抜けに明るい、という訳では無いんですよね。同じ作者の作品である「はやくそれになりたい!」や「ミクミクミクミクミ」と比べてもらえば分かりますが、この曲のミクさんには何となく闇があるような気がします。

 恐らくですが、このミクさん、自分の世界にはミクさん本人とマスター的な存在しか居ないんですよね。だから「これ以上望むことなんてないわ あなたが歌を聴いてくれるから」となるわけです。「マスターと歌をつくってみんなに聴いてもらう」とはならないんです。彼女の世界には「私」とマスター以外のひとは居ないんですから。我々視聴者がいくらこの曲を聴いても、ミクさんにとっては関係の無い話なんですよね。

 そうである以上、ミクさんはマスターに飽きられた時点でおしまいです。だから、「このつまらない日々が素晴らしい」のです。歌われている通り、刺激の多い日々をマスターが送ると、その分ミクさんにかける時間は減ってしまいますからね。やがて飽きられてしまうかもしれません。そうしたら…。

 というわけで、かわいくて勢いがあり、ちょっぴりブラックな曲です。