ぼかのーと #16 ハートブレイク≒ブルース [感想]

※本記事は2020年11月にnoteから移設したものです。投稿日時は元記事の投稿日時に合わせてあります。

 はいどーも、青海 久瑠です。

 今回は、ケダルイさんが2017年に公開した「ハートブレイク≒ブルース」について書いていきたいと思います。

 まず、この曲、曲名とは裏腹にロックに分類されます。曲名自体はジャズ・ブルースに分類される(曲中でそう歌われているので私はケダルイさんを信じます)曲、「Learning The Blues」の一節にある、「When you feel your heart break, you're learnin' the blues」から取られています。日本語に訳すと「あなたは失恋した時、ブルースを学んでいるのだ」といった具合でしょうか。

君からの返事待つあいだに
音楽で寂しさ紛らわすの

ヘッドフォンから流れ出すジャズブルースが
哀しげに愛を謳うんだ
曰く“You're learnin' the blues”

と歌詞にありますので、とりあえず「Learnin' The Blues」を聴いてみましょう(上に貼ってある動画です)。

 …何となく想像はついていましたが、ハートブレイク≒ブルースの主人公ちゃん、イラストからして高校生ぐらいだと思うんですけど、音楽の趣味が渋いです。想い人からの返信を待つ間、どんどん気分が重くなっていきそうです。

 いや、最初からわかっているのです。返信を待つ間に「You're learnin' the blues」なんて言われてしまっているのです。叶わない恋だなんてことは、当の本人が1番わかっていることです。それでもどうしようもないのが恋愛というものだし、わかっていてもやめられないし、だからこそジャズブルースをかけてしまうのです。

 「ハートブレイク≒ブルース」の魅力は、この切ない心情を歌った歌詞に対して、爽やかさに全振りしたような曲調があてられていることです。切ない心情を歌うならば、それこそジャズブルースとかでいいわけですが、あえて爽やかで軽快なロックが使われています。恋をどうにかして忘れようとしている気持ちが感じられて、このギャップは私がこの曲の中でとても好きな要素です。

 他にもこの曲の好きなところを挙げるなら、私は落ちサビを選びます。それまでと比較しても曲の軽快さが特に際立っていますが、その分「エモい」とも表現されるような哀しさがより一層込み上げてきます。途中までボーカルのメロディをなぞっているギターは、その哀しさをさらに強調していて、とても味わい深いです。

 というわけで、ハートブレイク≒ブルースについて書かせていただきました。